本プロジェクトで導入を検討している「リソグラフ」について、より有効に活用していくため、以前からanalogとして交流を続けてきたアーティスト、カツマタ・ヒデユキさんをお招きし検証を行いました。
Hideyuki Katsumata 東京都出身、ひょうきん。
広義で日本的なArtist。 Intelligenceの対局に立ち、自身のおどけたcharacter HANAUTAH(はなうた)を相棒とした人間味ある俗世や、独自の世界観を漫画的奇天烈絵画に落とし込み、更には現代春画家として男女の誇張された性器や性交を描いたりする。
IG : hanautah
URL : hideyuk.com
※ 本プロジェクトは、遊休工場(交流スペースとして2022年4月より稼働予定)へのリソグラフ導入を目指し進行してきましたが、導入先の稼働開始が遅れております。稼働開始(時期未定)までは、analogでリソグラフをお使いいただくことができますので、ぜひご利用ください。
検証3|リソグラフのスキャン機能を使って、2色の原稿を印刷する。
検証2で、スキャン機能を使った印刷とフルカラーの原稿の相性があまりよくないことが判明したので、2色の原稿を使って再びトライ。カツマタさんに、その場で2色のイラストを描いていただき、いくつかある分班方法で印刷してみました。
【原画3】
・赤色分版
赤で1版、それ以外の色で1版というルールで分版する方法です。赤と黒のイラストなので、それぞれ同じ色で製版し原画通りに印刷することができました。仮に黒で印刷された線が、原画上で赤系以外の複数色で描かれている場合、グレー〜黒のグラデーションで印刷されるようです。
・寒色暖色分版
赤系の色(暖色)で1版、それ以外の色(寒色)で1版というルールで分版する方法です。赤色分版同様、問題なく原画通りに印刷できました。
たまたま手元にあった、CDのブックレットが赤系と青系の2系統の色使いで描かれたものだったので、こちらも試してみました。
【元原稿】
・赤色分版
・青色分版
青系の色で1版、それ以外の色で1版というルールで分版する方法です。
・寒色暖色分版
赤系に比べて青系の色を認識する能力が低いのか、青色分版はほとんど青系の色が出ていません。少しずつ色味が違う原因まではわかりませんでしたが、いろいろ試しながら調整していくおもしろさがありました。
検証4|リソグラフのスキャン機能を使って、いろいろ遊んでみる。
なんとなくスキャン機能の使い方をつかんだところで、仕上がりをイメージしながらいろいろ遊んでみました。
・原画と違った色で製版→ 印刷
検証3と同じ方法で、製版・印刷する色を変える(ドラムの指定変更・入れ替え)だけ。オフセット印刷だとカラーバリエーションを増やすだけでもコストがかさみますが、リソグラフなら低コストで実現可能です。
・単色の原画を2色で印刷
黒1色で描かれた原画(こちらもカツマタさんにその場で描いていただきました)を使い、違う色のドラムでまったく同じ版をつくい印刷してみました。版をあえてずらすことで、色が混ざった感じや立体的な表現ができることがわかりました。
・黒と黄色で印刷
・少しずらして同色で印刷
・さらにずらして赤と青で印刷
・エリア指定分版で印刷
リソグラフには、原稿の色ではなく、ペンで囲んだ部分で1版、それ以外で1版というルールで分版する機能もあります。原稿に直接ペンで書き込む「エリア指定分版」、原稿に直接書き込みをせずトレーシングペーパーを使う「トレース分版」の2つの方法があります。こちらも、コストを抑えて印刷物にバリエーションを出したいときにおすすめです。
・三角形で囲んだ部分を黄色版で、それ以外を黒版で印刷
2回にわたってご紹介したリソグラフの検証、いかがでしたでしょうか?まだまだ私たちも把握できていないことがあるので、ぜひ一緒におもしろい活用方法を探っていければと思っています。興味を持った方は、お気軽にお問い合わせください。
今回の印刷テストの他に、2名のアーティストによるリソの感想を動画にしていますので、
こちらもぜひチェックしてみてください。
助成:(公財)仙台市市民文化事業団
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